ミス慶應コンテスト2015 FINALIST

05. 中川 安奈
Anna Nakagawa

小学生時代の本気

投稿日時:2015/10/14 11:02 by 中川 安奈

 「夏はプールで遊べるからいいよね?坊ちゃん」。私が小学生のとき。母と一緒にタクシーに乗っていると、運転手にこのように話しかけられました。キャップをかぶっていたからだとは思うのですが、男子と間違えられたことを密かに嬉しく感じていました。入学前、フィンランドに住んでいた私は、女子の友達との細々とした日本語での会話についていけず、言葉をあまり使わずにすむ男子との外遊びの方が楽しいと感じていたのです。小学校の低学年からしばらくの間、男子のようになりたいと思い、身の回りのものなどは、男の子スタイルを意識して選んでいました。


 そんな私は小学4年生の秋、父の仕事の関係でカリブ海の島のプエルト・リコに引っ越します。私にとって大きな衝撃だったのは、同い年であるにもかかわらず、女性っぽく大人びた女の子達。ブランドもののアクセサリーやバッグを持ち、ファッションにこだわり、誕生日には親の監視下ではあるのですが家でディスコパーティーを開催したり、お泊まり会では男の子の噂やモデルごっこをして盛り上がったり。私は、みんなとは髪の色や顔の構造など様々な面で違い、壁を感じ、自分が日本人であることをコンプレックスに感じるようになっていました。彼女たちに追いつきたい、現地人にとけ込みたい、という一心で、細々とした女子の会話にもナチュラルについていけるよう英語とスペイン語の発音や文法に気を使ったり、女の子らしいものを選んで身につけたりしていました。小学生の頃の私はこうして典型的以上に女子っぽい、プエルトリカンガールになりきることに本気を出していました。


 もし私がプエルト・リコに引っ越していなかったら、私の好みのスタイルは違っていたのかなあ、とふと考えることがあります。あれから十年、初老を迎えたであろうあのタクシー運転手は、私を乗せることがあっても、もう男の子には間違えることはないでしょう。

TWEET & SHARE / 近況報告をみんなにシェアして、候補者を応援しよう!

COMMENT / コメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limited によって提供されており、この機能によって生じた損害に対してミスキャンパス|MISSCAMPUS ミスキャンパスのオフィシャルサイトは一切の責任を負いません。

RELATED ARTICLE / 関連する記事

  • 高校受験

    2015/11/13 12:19 | コメント

    高校受験の勉強をしていたとき、家族、塾の先生、友達、、、たくさんの人が私を応援してくれていました。でも、私にとって一番のエネルギー源はいつも持っていた勉強ノート、そして『勇気100%』の曲だったと思います。ノートは、特別なものではありません。普通のキャンパスノートです。だから勉強…

  • はじめまして!

    2015/07/16 21:32 | コメント

    本日からブログを始めさせていただきます、エントリーNo.5の中川安奈です。 こういった長文での投稿は初めてなので、文字をタイプしながら少し緊張しています。 さて、初回のテーマは、『なぜ今年のミス慶應コンテストに挑戦しようと思ったか&目標』 きっかけは…

2 件中 1-2

  • 1

TOP